自分を信じて

人間でもその他の動物でも、植物でも。不調が起こったときに、それを感知し、対策し、元の状態に戻ろうとする。このような機能が備わっています。人間の体にもそういうものが備わっており生体恒常性(ホメオスタシス)と呼ばれています。我々は様々なストレスに日々さらされて生かされていますが、それらのストレスによるダメージは日々この生体恒常性によって元に戻っています。この元に戻る力を自然治癒力と呼びます。

 

例えばX線撮影のような強力な電磁波を1回浴びたとします。その瞬間に幾つかの細胞は破壊されます。でもそれくらいではあなたの命がなくなることはありません。しかし、破壊されているという事実がある。破壊されたものが自然治癒力によりちゃんと回復していれば、日常生活になんの支障も起こらないでしょう。ただ、破壊の度合いが回復力を上回れば、当然元には戻りません。元に戻らない状態で次のストレスを積み重ねるようなことを続ければ「なるべくして」体の異常は顕在化します。体の異常の原因は多くの場合「あなたの行動」にあるのです。

 

そうであるならば、「あなた」がまずその原因を見つめることが最初の一手です。それをせずしていきなり「他人」を頼るようなことを続けるから迷路に迷い込んだような状態になるのです。「あなた」にしかわからないことがある。多くの場合、そこに体調を元に戻すヒントがあります。「悪い習慣」は必ず不健康を招きます。ここに異論はないでしょう。しかし「何が悪いのか」これを知らなければ、自分自身で自分の生活習慣をいくら見直しても「悪い習慣」は見つかりません。なぜなら「良い」と思って続けていることが原因で症状が出ていることがあるからです。

 

わかりやすい例で言えば、タバコの箱には「肺癌になりますよ」というメッセージがちゃんと書いてありますね。とても親切です。肺癌が嫌なら吸わなければいいし、それでも吸いたければ吸えばいいと思います。このように明確に書いてあるものはまだ良いです。問題は「書いていないものの方が我々の日常生活では圧倒的に多い」ということです。知らなければ、良いものを選択することもできません。そしてもっと最悪なのが「これは身体にいいですよ」と言われているものが実は身体を害している原因となっている場合があるということです。良かれと思ってやっていることなので、体調不良の原因がまさかその「身体にいいこと」であるとは誰も思わないのです。このようなことをちゃんと理解して、日常生活を整える。当院の考える「健康づくり」はまずここからです。

 

次に大切になるのが「あなたには自然治癒力が備わっている」このことを心から理解していただくこと。当院は皆さんにこれを求めます。まず自分を信じてください。いくら自分を信じていても「悪い習慣」を断つことが出来ていなければ本当の「健康」など程遠いということも同時に理解していただきます。健康状態は良くなるべくして良くなるし、悪くなるべくして悪くなる。善因善果、悪因悪果です。自分を信じてやるべきことを着実に積み重ねた結果、驚くような変化をする方を何人も拝見させていただきました。その度に思うのが「自分を信じること」の大切さ。誰になんと言われようと「自分自身が自分を諦めない。」このような生き方が身体に大きな変化を起こすということは事実です。

継続は力なり。

来院当初は脊柱の大きな湾曲に起因する痛みでベッドに仰向けになることも困難であったにも関わらず、自分自身の可能性を信じ行動し続けた結果、見事に克服。現在では吊り輪で逆立ちまでこなしてしまうため、どこから見ても「元氣な人」にしか見えない状態に。来院当初を知る方からはいつも「あの人は本当にすごい。」と今でも言われることがあります。ご自身の身体との対話力が素晴らしく、「この運動は症状改善に役に立つ」という直感は圧巻です。自分を心から信じて対話を重ねると勝手に自分で治していくようなレベルに達していく。野生の覚醒ですね。

鋼のメンタル。

患部に強烈な痛みを抱え、ベッドでは呻き声をあげるほどの状態から、ご家族の献身的な支えもあり徐々に回復。施術のたびに「前は○◯ができなかったけど、出来るようになったのよ!」と満面の笑みで現状報告をして下さる鋼のメンタルを持つ女性。ご自身のほんの少しの進歩に焦点を合わせそれを一つづつ丁寧に受け入れていく姿勢は全ての症状の「治癒」に向かう過程で必要な「氣の持ちよう」であることを学ばせていただきました。本当に強い人です。

まあまあじゃな。

今日の調子はいかがですか?との問いかけに「まあまあじゃな。」といつもお返事を下さるご主人。いつも奥さんと一緒にご来院いただき、トレーニングを含めてメンテナンスをされています。体力がついてくることで「目の輝きが変わってくる」ということをハッキリと感じさせていただいた方です。「何を言っても返事がなかったり、遅かったりだったのが今はパッパッと返ってくる。文句も多いけど楽しいですよ。」という奥さんの笑顔も素晴らしいご夫婦です。