日々、体軸づくり(動作の安定、筋力低下と運動不足の話)

本日の一言・・・ありません。

 

ズドン!ズドン!

 

サンドバッグに対する「蹴り」。当院では以前から身体機能向上のために取り入れているトレーニングです。

 

この音が、ズドン!

 

ズドン!の主は70代男性。以前から定期的にトレーニングで通院されている方ですが、最近この蹴りの音が明らかに変わってきました。急速な変化に驚いています。「体軸づくり」を始めてから、股関節周辺の筋肉と体幹の筋肉が強化されているのを蹴りの「音」で感じます。ご本人も「だいぶ蹴れるようになってきたわ!これは分かる!」とご自身の身体の変化を実感されているようです。

 

「蹴り」の動作は片足立ちとなる動作であるため、「軸足」の安定感は動作の質に直接影響します。何となくサンドバッグを蹴るということは誰でもできる動作ですが、その質を細かく確認していくことで知らず知らずのうちに

 

「出来なかった動作が出来るようになっている」

 

という実感が得られます。

 

 

人の身体はものすごく精妙な操り人形のようなもの。

 

 

骨格という本体があって、そのそれぞれのパーツをものすごい数の筋繊維というゴムがつないでいる。そのような構造になっています。(一般向けにかなり単純化して表現します。)

 

それぞれの筋繊維というゴムは「命令に従って決まった方向に縮む」ということしか出来ません。

 

先日のオリンピックをご覧になっても明らかなように、本来人間の身体は鍛錬次第で本当に複雑な動きができるように作られています。

 

その複雑な動作を可能にしているのが「命令にちゃんと従う使える筋繊維」です。

 

例えば、A・B・Cというそれぞれ縮む方向が違う筋肉があるとします。

 

この3つの筋肉の縮み具合を操り人形のようにコントロールすることで特定の関節の「30度」という角度を作るとしましょう。

 

30度という角度を作るために「Aは10の力、Bは5の力、Cは3の力」を出さなくてはならない場合、A・B・Cのどの筋出力が乱れても「30度」という角度は出来ません。

 

仮にサンドバッグに対する「蹴り」という動作で最も効率よく力を発揮できる角度が30度である関節が動作に含まれている場合、この筋出力の割合が達成されなければ「最高の蹴り」は出来ません。

 

「体軸づくり」で鍛えている筋肉は身体の中心の筋肉です。だから「軸」と名付けています。

 

上記に倣って例えると

 

「蹴り」という動作を作るために「軸は10の力、太腿は5の力、下腿は3の力」を出さなければならない場合は、軸に最大で10の力があることが大前提。5しか力を出せない軸では「蹴り」が成り立ちません。

 

次に「ちゃんと10の力を出せるか」ということが問われます。最大で20の力が出せる筋肉を持っていても「11」とか「9」の力を出すのは得意なんだけど、「10」は出ないんだよね・・・というのでは「蹴り」は出来るでしょうが「質の高い蹴り」は出来ません。

 

伝わりますかね?

 

「筋力そのもの」と「それをコントロールする能力」が「動作」を行うには必ず必要なんです。

 

なぜ「体軸づくり」をあえて行っていただくかというと、あらゆる動作に関係するのが「体軸」であるからです。そして、イメージがしにくいからです。鍛える方法も分かりにくいし、使えているのかどうかもよく分からない。

 

例えば、食材の入った買い物袋を手に持ってぶら下げて帰ってきて、自宅のテーブルに持ち上げる動作。この時の腕の動かし方がわからない人はいないし、力の入れ方がわからない人もいませんよね。

 

 

 

体軸はどんな動作で使われているのか多くの人にとって「よく分からない」のです。

 

よくわからないものを「鍛える」って難しいと思いませんか。

 

私自身は氣功の動作も健康づくりに役立てているのですが、学べば学ぶほど「氣功ほど体軸を精妙に使用する動作は無い」と思えてきます。とんでもなく奥が深い世界で、まだまだ未熟であるのですがこれは間違いないと断言できます。ただ、意識するのが難しい。ということを言われることが多いのも事実です。

 

だったら「よくわからなくても勝手に鍛えられてしまう動作」を作ればいい。ということで出来たのが「体軸づくり」のそれぞれのメニューです。

 

 

 

年齢を重ね、運動不足の日々を積み重ねれば体軸の筋力が衰えて様々な「動作」に支障をきたします。先程の「蹴り」の例えで言うと「体軸に10の力が必要なのに、そもそも5しか力がない。」と言う状況。仮に「歩行」と言う動作で「7の力が必要」である場合、5しか力がなければ自然に歩けなくなります。このような場合、様々な筋肉が支え合って「歩行っぽい動作」にはなりますが、そのような動作は必ず近い将来身体のどこかの機能に支障をきたします。歩行を改善するだけで、長年取れなかった痛みが取れることなど当たり前なのです。「歩行」が乱れれば必ず体調は乱れます。

 

(スポーツ選手などは筋出力のイメージが湧いていないだけで、そこが改善されたらフォームまでガラッと変わってしまうということはよく起こります。「理想のプレーに100の力が必要なのに100の負荷のかけ方がわからないから強化出来ていない。」こんなことは本当によくあります。)

 

日常生活において「体軸」が使われる動作を列挙してみます。

 

歩く動作、階段を上る動作、ベッドから起きる動作、布団から起き上がる動作、車に乗り込む動作、椅子から立ち上がる動作、寝返りの動作、ドアを開ける動作、しゃがむ動作・・・もうあげればキリがありません。

 

「体軸」は全ての動作に関わっている。「全て」です!

 

全ての動作に「体軸」が関わっている。ここが「5・4・3・2・1」と力を失っていくと、一氣に動けなくなるのです。運動不足はこのカウントダウンを加速させます。

 

コロナ禍で外出を制限され、自宅で過ごす時間が長くなってしまい「仕方ない」と運動不足に甘んじてしまう氣持ちもわからなくもないですが、その「運動不足」は確実にカウントダウンに直結していると言うことを知っておいて下さい。

 

「何でもないことでつまづくようになってきた。」・「近所の人が転倒して骨折した。」

 

こんなお話を聞くことが最近特に増えた氣がします。当たり前です。「運動不足」ですから。「5・4・3・2・1」となってるだけです。免疫力の低下を防ぐという観点からもちゃんと「運動不足」に対する危機感を持ち、未然に対策するという生活を心がけて下さい。

 

ズドン!の衝撃から始まり、長い長いブログになりました。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。